彩の録

あやこのウェブログ、アヤのロック。

ゼレンスキーが日本に求めていること

ゼレンスキーが日本に求めていることは、

  • アジアの盟主になること
  • 集団的安全保障のシステムをつくりなおすこと

だろう。

「日本がアジアで初めてロシアに制裁を加えた」と強調し、「国連安保理は機能しなかったから安全保障のツールをつくってほしい」と言った。

しかしこれは、いまの日本人や政府自民党にとってほとんど無理筋だろう。

 

中国共産党がアジアの盟主になろうとしている。

他方の日本は、米国の指示待ち子分である。

 

アジアは封建世界だ。

そのなかで欧米のプロテスタンティズム寄りで、欧米にとってアジアの「突破口」になりうる、封建主義のうすい国は、まずは中華民國だ。そして次に、ワンチャンあるかもしれないのは日本だろう。

アジアは「目覚めて」すらいない。
そのなかで、中華民國の民進党が一番進んでいる。
日本の政権与党があの自民党なんかだし、そもそも政権担当能力のあってかつ「目覚めている」政党は、日本にはない

日本人は封建主義者で、日本は封建国家だ。親分が権力を認めてやり(所領安堵)、子分が親分に貢献する(一所懸命、滅私奉公)国だ。

 

アジアは、東アジアの中国文化圏(儒教世界)も、中央アジアも、西アジア、中近東、アラブ・イスラーム世界も、封建社会である。「人権」は国家社会から許されたものである。階級差別社会で、マチスモ(男は強くなければならず、筋肉隆々なのがいい)やセクシズム(性別で社会的役割が決まる)やミソジニー(女は男に仕えるのが当然)といった性差別が典型例だろう。日本は、例えば夫婦別姓すら禁止している。こうした差別は、一面では宗教(政教分離違反)であり、政治社会思想であり、封建「文化」である。

 

ロシアも封建世界だ。

今回のウクライナ戦争は、ロシア正教会プーチンが、ロシア正教のルーツであるウクライナを奪還しようとして起こしたものだろう。
ロシア正教会プーチンが応じ、プーチンは政財界を従えロシア人を従え、ロシアのために人生を捧げさせる。

言い換えれば、封建主義であり、全体主義であり、そして今回の戦争は「十字軍」であり帝国主義である

ロシア正教会プーチンは、ウクライナを奪還してロシア化するつもりだろう。「ウクライナはロシア世界なのだからロシアに賛同して当然」と思ってウクライナの人々を見くびっていたのだろう。
ウクライナはロシア世界だからロシア正教会プーチンにとっては「国内」のようなものであり、
電撃作戦でゼレンスキーを追い出せば、欧米が口を出すスキもなく既成事実化すると目論んでいたのだろう。

 

プーチンにはどうも、戦時中までの「大日本帝国」を模倣したような発想がある。
プーチンマチスモで、柔道やりまくっていたが、その柔道が平和主義的で「精力善用 自他共栄」を是とすることについて、真には理解していなかったのかもしれない。

 

封建国家の日本、封建主義者の日本人には、「イジメられるほうも悪い」という論調が強い。社会体制を無条件に肯定し、個人を罰する社会である。今回のウクライナ戦争も、「ウクライナが降伏すればいい」とか「ゼレンスキーがプーチンを怒らせたのが悪い」という論調がある。

日本は封建国家、「プーチン側の国」なのである。そして、米国の同盟国であるがゆえに欧米に追随しただけなのである。

日本が安保理常任理事国になればいいという話は以前からずーっとあった。そうしたこともゼレンスキーには念頭にあっただろう。が、安保理自体が「使えない」ことから、日本が集団的安全保障体制の中心的役割を果たして、「アジア代表」になってほしいと言うのである。

しかし、日本は「米国の犬」でしかないのに。

 

なにせ、政権与党はもとより、日本の政党も日本人も、ほとんどが封建思想者であって、「目覚めていない」のだから、まったく無理筋だ。

たぶんゼレンスキーも日本にはさして詳しくない。演説に切れ味を感じなかった。彼自身、日本の本性をよくは理解していないのではないか。