彩の録

あやこのウェブログ、アヤのロック。

親ロシア派がいるのはなぜか(権力に服従したがる理由)

いまウクライナ戦争で世界に起こっているのは、封建主義とデモクラシーの対立だ。

 

ウクライナの南東部やモルドバなどに、ロシア派がいて、さらには独立国家を自称してロシア軍が駐留している。まるでロシアの属国だ(沖縄もある意味で米国の属国なのかもしれない)。

このウクライナ侵攻の状況においてもなお、ロシア派が少なくない。ロシア国内にも、ロシアの周辺国にも。

なぜか。

簡単にいえば、
社会構造に依存して、自分で決めず責を負わず、決められたレールに乗って、おこぼれを貰って(トリクルダウン)、低レベルの暮らしでもラクして一生をやり過ごしたい人々が多いからだ。
つまりは、あべ晋三支持者とも同じである。

他人のことを「甘えだ」と非難する人ほどむしろ甘えが多い。社会に依存し、アイデンティティ(誇り)を棄てて同化することを社会人の苦労だと思っている。大人だと思っている。

これが、封建主義の特徴だ。社会全体のシステムに依存する発想である。

 

デモクラシーとは、自己決定の発想である。自分で決めないといけない。自力でなんとかするのが原則だ。これは、ラクではない。
これが原理主義的にいけば、社会保障も不十分で、教育も医療もまともに受けられない国ということもありうる。

ロシア派の人々からすると、学校行けて病院行けて職があって食っていける、というのを望んでいるわけである。

そのために、自らロシア社会と同化する。ロシア語を喋り、宗教も生活習慣もロシア化していく。

 

ウクライナの多くの人々は、アイデンティティ(人格)を破壊される同化政策を怖れている。学校に行けばロシア語を喋りなさいと言われるような、たとえて言えば日本なら、標準語を強制されたり訛ったら嘲笑されたり、富士山や江戸前握り寿司を日本文化だと教えられるような社会になる。

もともとウクライナ人にはロシア系も、ロシア語ネイティブな人も多い。プーチンは、ウクライナ人は親ロシア的で服従させやすいとみていたのだろう。

しかし思いの外に、ウクライナには不服従(revelation)の意識や、独自のカルチャーがある。思うに、宗主国が転々としてきた歴史や、ポーランドユダヤの影響が特に強いからかもしれない。

 

裏を返せば、不服従、屈服しないという自意識は、代々受け継がれて遺伝していかないと根づきにくいのだろうと思う。同化教育が続けられれば失われる。

 

日本は封建国家である。江戸時代から儒教社会である。とりわけ明治以降に同化政策が続けられてきた。その背景には、欧米の外圧があり、国家主義化した。さらにいえば戦後には、社会はアメリカナイズされて、米国的な思想が善とされてきたところが大きい。

ここには矛盾がある。封建国家だから、強者の欧米列強に追随した。だが、米国などはデモクラシー国家である。

 

ロシアや日本ではデモクラシーは確立されていない。封建主義は代々遺伝している。選挙で大統領や首相を決めたとて、それは多数決主義のポピュリズムである。そして、得票数の多い者勝ちで、権力を振りかざす。数の横暴である。

米国ですらも、カトリックのいわゆる保守層などには封建主義者がいるわけで、共和党ドナルド・トランプが権力を握る事態になるくらいだ。

そして、依存してお任せしてラクして、おこぼれ乞おうとする誘惑がやってくるのである。

 

権力とるには支持率稼げばよい。情報とは、支配のための道具である。よって、情報操作も捏造もする。

デモクラシーでは情報は自己決定の材料で、公開され、公正中立に努めるものだ。封建主義では全然違う。

 

ソ連は、チェルノブイリ原発が爆発して、情報統制されたせいで多くの人々が放射能をかぶり被曝した。この事件を機に、ゴルバチョフ書記長(大統領)がグラスノスチ(情報公開)とペレストロイカ(改革)を推進した。これが結果的には、社会の急激な動乱につながり、ソ連は崩壊(ロシア連邦が脱退して壊滅)した。だから、プーチンにとってゴルバチョフ大統領(ゴルビー)は負け犬であり、同じあやまちをするものかと思っている。つまりプーチンにとっては情報は支配の道具であり、捏造することもなんとも思っていない。

 

エリツィン大統領の時代には、ロシアの市場開放が進んだ。この時代に汚職が多かったという。そして、ロシアでは、プーチン汚職を撲滅したヒーローみたいにいわれているらしい。

しかそ封建社会階級差別社会だ。そもそもそこには腐敗や汚職がはびこりやすい。ソ連時代には知識階級つまりはエリート主義があって、それで階級差別があり腐敗があった。その社会がそのまま横滑りして欧米化したから、拝金主義化した汚職に変化したのだろう。腐敗はエリツィン時代に始まったことではない。そしてプーチンになってからは、強権化したことで、権力になついて忖度した人間が得をするという腐敗があるのである。あべ晋三政権と同じように。だから、プーチンが反腐敗だというのは印象操作だろう、そもそもプーチン自身も、見かけ上は少ない歳費の裏側で私腹を肥やしているのだ。

 

ともかく、封建主義からはなかなか卒業し得ないものである。社会体制があり、生まれ育ちからして教育され刷り込まれて、生きていくには周囲に同化して同調圧力に屈してしまう人が大半だ。同化しなければ、ワガママだといわれたり、後ろ指さされたり、イジメを受けたりする。そして社会から干される。

問題は根深いものである。ロシア人や日本人個人にも責めがあるのだが、だからといっても、反抗してもなかなかデモクラシー革命は成功せず、あまつさえ、警察にとっちめられたり社会落伍者扱いされるのだから。日本でも、安倍やめろと叫んだだけでも警察に取り押さえられたわけだし。

なんとも苦しいものだ。