彩の録

あやこのウェブログ、アヤのロック。

殺されるか虐げられるか

迫害を受ける層、いわゆる「マイノリティ」のなかでは、
殺されたとしても服従しない人と、生き抜くために服従し虐げられながら「おこぼれ」(トリクルダウン)を貰う人に分かれる。

だから、ドナルドトランプを支持するゲイもいたし、ナチスに協力したユダヤもいた。

これが、差別、ファシズムというものだ。

だから、「支持者にはゲイもいる」(ドナルドトランプ)、「ユダヤ人とナチスの協力という悲惨な歴史的前例」(ラブロフ)とかいうのも言い訳にならない。

 

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同じように、差別されているのに自民党を支持する女性も多い。日本では、封建社会の構造に寄生して生き抜こうとする人が多い。自分から差別されにいく。

差別は、「する」以前に、社会制度として実装されているものである。

 

知床遊覧船 KAZU 1の事故の件

「荒れる予報が出ていたのになんで出航したんだ」というのは事故のひとつの原因に過ぎない。

この大惨事は、いくつものセーフティネットが破れた状態でも運航を続けたから起こった経営者はいくつもの間違いを重ねているから、事故が起こり、被害が重くなった。それをこの期に及んで罪も民事責任も逃れようとつまらない言いわけを続けているようだ。そもそも損害保険でさえも、重過失や善管注意義務違反が露骨なこの事故だとカバーしてくれるかさえも疑わしいと思う。

 

事務所の無線アンテナが壊れたまま運航したことも問題外だ。平時の報告連絡相談にも使うだろう無線が、使えないのは話にならない

しかもその状態で、緊急時の連絡手段でもある衛星電話が壊れていたという。知床半島のほとんどは人が住んでおらず開発が規制されているから、携帯電話がほとんど通じないのは当然のことだ。事故時にも、乗客の携帯電話を借りてやっと通じたそうだから、一部キャリアや世代(3Gとか)しか電波がないのだろう。

 

船長の技能や経験が未熟だったのも、事故原因だ。この船長は、内海での操縦経験は前職であったそうだ。けれど、外洋に出るとなれば話が違う。しかも、オホーツク海は大気が寒くて天気が急変しやすい。低気圧が急発達して台風並みの爆弾低気圧になるのも珍しくないくらいだ。運行する海域の経験は重要だ。

船舶は、自家用車ほどの大量生産品ではない。件の船は、たくさん市販されているモーターボートでもないし、しかも瀬戸内海で走るための小型軽量船舶だったという。船長は、実際に操縦する船の特性を熟知していないといけない。この船がオホーツク海には力不足だということを承知のうえで運航計画をたてないといけない。

なのに、この会社の経営者は、意に沿わないベテラン達と仲違いして、無理に運行してくれる船長だけ残ったらしい。

この船長はきっと、真面目でお人好しだったのだろう。それで、最後に残って、ブラック企業でも辞めるわけにはいかなくなったのではないか。自分がいなくなったら替わりがいない。社長の意向に沿って、会社の責任を肩代わりしつづけてきたといえる。

 

予報が荒れる見込みであれば、欠航にするか、荒れる予想時間帯よりもかなり余裕をもって帰港する運航計画でないといけない。時間に余裕をもって帰れれば、遅れた際にも助かる「あそび」がある。つまり、無理のない運行計画もいわばセーフティーネットである。

同業他社も漁船等も出航していないで一社だけ出航するというのに、遠く知床岬まで行って孤立する運航計画も、無理がある。しかも無線や衛星電話が壊れたままだったというのだから、問題外だ。

そして、事故時には海が荒れて、遭難者を拾い上げるどころか助けに行くのも無理だというくらいだったのだから、助からない。海が荒れていなければ近くの船舶が助けてくれるのが普通だが、当時はそもそも出港不可能なくらい荒れていた。

 

業界のプロ経営者であればありえないような間違えをいくつも重ねていたから、大惨事が起こった。出航判断が適切だったかどうかという問題だけではないのだ。

 

 

そして思うのだけれど、あべ晋三・黒田時代の、バラマキを続けたいわゆる「異次元の金融緩和」は、お金が余って株価を釣り上げたけれど、実体経済は悪いから、不労所得と転売屋が横行した。金融機関は貸す相手を探して、ブームになっているバブルな業界に押し貸しし続けた。そのひとつが観光産業だ。(ちなみにいまの円安とインフレも、あべ自民党と黒田日銀によるバラマキが主因。)

知床遊覧船を買収した社長は、宿泊施設の経営を受け継いで、そこから手広く事業を拡げていったそうだ。資金を借りて事業を拡大し多角化していったのだろう。それで、旅客運送という特に安全第一の業界でも、採算重視で、顧客の要求におもねる経営をしていたのだろう。いや、本業の宿泊施設でさえも防災体制がなっていたかも疑わしいので、はたけば「ホコリ」が出てきそうな気がする。

この事故は直接的にはこの社長の知能と思想の問題なのだけれど、本質的には日本の国家・社会的な病みと闇があるのだと思う。この社長もいわば「転売屋」とおなじたぐいなのである。

 

ウクライナでも起こされている、ジェノサイド(民族撲滅)ということ

このコンテクストでは、「ジェノサイド」を「虐殺」と直訳してはいけない。民族等を撲滅する活動のことをジェノサイドという。

言い換えると、「同化政策」ともいう。

中国共産党ウイグルなどにしていることも同化政策であるし、ロシアがウクライナにしていることも同化政策だ。

そして、日本がアイヌや韓人(コリアン)などにしたことも、同化政策=ジェノサイドである。

ところが、日本は未だに封建主義国家で同化することを美徳としている。その日本人の多くはナイーブだ(幼稚でものごとを知らない。必要な苦労をしてこなかった)から、いまのウクライナで起こっているブチャ虐殺などの大事件の意味も理解困難なのだろうと思う。いまの大学生や高校生の話を聞いていても、びっくりするくらいナイーブだ。日本がしてきた侵略戦争などの悪事をよく知らない、教えられていない。侵略戦争を反省する以前に、知らないのだから問題外だ。

 

同化政策というのは本質的には、アイデンティティの破壊、人格を奪うことにある。

例えば「千と千尋の神隠し」で、千尋が「千」に改名させられるシーンがあるが、これも同化政策と似たような、支配の手口である。日本はかつてアイヌやコリアンに創氏改名させた。このように支配するマジョリティ側に同化させるのは、支配する(マウントとる)ためである。氏名や宗教や言語などを同化させる。

そして支配される側(マイノリティ)は、嫌悪され、穢いという扱いを受ける。そうして少なからぬアイヌだって自ら「血を薄めよう」として和人と結婚したりした。

 

かつて日本がした過ちを、プーチンがなぞっている。ウクライナモルドバなど周辺諸国で、ロシア至上主義の同化政策を進めている。ブチャ大虐殺もその一環だろう。

 

日本人は自らの過ちを知りすらしないのだから、戦争を反省しうるわけがない。だから、ロシアのウクライナ戦争を非難する能力も足りない

親ロシア派がいるのはなぜか(権力に服従したがる理由)

いまウクライナ戦争で世界に起こっているのは、封建主義とデモクラシーの対立だ。

 

ウクライナの南東部やモルドバなどに、ロシア派がいて、さらには独立国家を自称してロシア軍が駐留している。まるでロシアの属国だ(沖縄もある意味で米国の属国なのかもしれない)。

このウクライナ侵攻の状況においてもなお、ロシア派が少なくない。ロシア国内にも、ロシアの周辺国にも。

なぜか。

簡単にいえば、
社会構造に依存して、自分で決めず責を負わず、決められたレールに乗って、おこぼれを貰って(トリクルダウン)、低レベルの暮らしでもラクして一生をやり過ごしたい人々が多いからだ。
つまりは、あべ晋三支持者とも同じである。

他人のことを「甘えだ」と非難する人ほどむしろ甘えが多い。社会に依存し、アイデンティティ(誇り)を棄てて同化することを社会人の苦労だと思っている。大人だと思っている。

これが、封建主義の特徴だ。社会全体のシステムに依存する発想である。

 

デモクラシーとは、自己決定の発想である。自分で決めないといけない。自力でなんとかするのが原則だ。これは、ラクではない。
これが原理主義的にいけば、社会保障も不十分で、教育も医療もまともに受けられない国ということもありうる。

ロシア派の人々からすると、学校行けて病院行けて職があって食っていける、というのを望んでいるわけである。

そのために、自らロシア社会と同化する。ロシア語を喋り、宗教も生活習慣もロシア化していく。

 

ウクライナの多くの人々は、アイデンティティ(人格)を破壊される同化政策を怖れている。学校に行けばロシア語を喋りなさいと言われるような、たとえて言えば日本なら、標準語を強制されたり訛ったら嘲笑されたり、富士山や江戸前握り寿司を日本文化だと教えられるような社会になる。

もともとウクライナ人にはロシア系も、ロシア語ネイティブな人も多い。プーチンは、ウクライナ人は親ロシア的で服従させやすいとみていたのだろう。

しかし思いの外に、ウクライナには不服従(revelation)の意識や、独自のカルチャーがある。思うに、宗主国が転々としてきた歴史や、ポーランドユダヤの影響が特に強いからかもしれない。

 

裏を返せば、不服従、屈服しないという自意識は、代々受け継がれて遺伝していかないと根づきにくいのだろうと思う。同化教育が続けられれば失われる。

 

日本は封建国家である。江戸時代から儒教社会である。とりわけ明治以降に同化政策が続けられてきた。その背景には、欧米の外圧があり、国家主義化した。さらにいえば戦後には、社会はアメリカナイズされて、米国的な思想が善とされてきたところが大きい。

ここには矛盾がある。封建国家だから、強者の欧米列強に追随した。だが、米国などはデモクラシー国家である。

 

ロシアや日本ではデモクラシーは確立されていない。封建主義は代々遺伝している。選挙で大統領や首相を決めたとて、それは多数決主義のポピュリズムである。そして、得票数の多い者勝ちで、権力を振りかざす。数の横暴である。

米国ですらも、カトリックのいわゆる保守層などには封建主義者がいるわけで、共和党ドナルド・トランプが権力を握る事態になるくらいだ。

そして、依存してお任せしてラクして、おこぼれ乞おうとする誘惑がやってくるのである。

 

権力とるには支持率稼げばよい。情報とは、支配のための道具である。よって、情報操作も捏造もする。

デモクラシーでは情報は自己決定の材料で、公開され、公正中立に努めるものだ。封建主義では全然違う。

 

ソ連は、チェルノブイリ原発が爆発して、情報統制されたせいで多くの人々が放射能をかぶり被曝した。この事件を機に、ゴルバチョフ書記長(大統領)がグラスノスチ(情報公開)とペレストロイカ(改革)を推進した。これが結果的には、社会の急激な動乱につながり、ソ連は崩壊(ロシア連邦が脱退して壊滅)した。だから、プーチンにとってゴルバチョフ大統領(ゴルビー)は負け犬であり、同じあやまちをするものかと思っている。つまりプーチンにとっては情報は支配の道具であり、捏造することもなんとも思っていない。

 

エリツィン大統領の時代には、ロシアの市場開放が進んだ。この時代に汚職が多かったという。そして、ロシアでは、プーチン汚職を撲滅したヒーローみたいにいわれているらしい。

しかそ封建社会階級差別社会だ。そもそもそこには腐敗や汚職がはびこりやすい。ソ連時代には知識階級つまりはエリート主義があって、それで階級差別があり腐敗があった。その社会がそのまま横滑りして欧米化したから、拝金主義化した汚職に変化したのだろう。腐敗はエリツィン時代に始まったことではない。そしてプーチンになってからは、強権化したことで、権力になついて忖度した人間が得をするという腐敗があるのである。あべ晋三政権と同じように。だから、プーチンが反腐敗だというのは印象操作だろう、そもそもプーチン自身も、見かけ上は少ない歳費の裏側で私腹を肥やしているのだ。

 

ともかく、封建主義からはなかなか卒業し得ないものである。社会体制があり、生まれ育ちからして教育され刷り込まれて、生きていくには周囲に同化して同調圧力に屈してしまう人が大半だ。同化しなければ、ワガママだといわれたり、後ろ指さされたり、イジメを受けたりする。そして社会から干される。

問題は根深いものである。ロシア人や日本人個人にも責めがあるのだが、だからといっても、反抗してもなかなかデモクラシー革命は成功せず、あまつさえ、警察にとっちめられたり社会落伍者扱いされるのだから。日本でも、安倍やめろと叫んだだけでも警察に取り押さえられたわけだし。

なんとも苦しいものだ。

ゼレンスキーが日本に求めていること

ゼレンスキーが日本に求めていることは、

  • アジアの盟主になること
  • 集団的安全保障のシステムをつくりなおすこと

だろう。

「日本がアジアで初めてロシアに制裁を加えた」と強調し、「国連安保理は機能しなかったから安全保障のツールをつくってほしい」と言った。

しかしこれは、いまの日本人や政府自民党にとってほとんど無理筋だろう。

 

中国共産党がアジアの盟主になろうとしている。

他方の日本は、米国の指示待ち子分である。

 

アジアは封建世界だ。

そのなかで欧米のプロテスタンティズム寄りで、欧米にとってアジアの「突破口」になりうる、封建主義のうすい国は、まずは中華民國だ。そして次に、ワンチャンあるかもしれないのは日本だろう。

アジアは「目覚めて」すらいない。
そのなかで、中華民國の民進党が一番進んでいる。
日本の政権与党があの自民党なんかだし、そもそも政権担当能力のあってかつ「目覚めている」政党は、日本にはない

日本人は封建主義者で、日本は封建国家だ。親分が権力を認めてやり(所領安堵)、子分が親分に貢献する(一所懸命、滅私奉公)国だ。

 

アジアは、東アジアの中国文化圏(儒教世界)も、中央アジアも、西アジア、中近東、アラブ・イスラーム世界も、封建社会である。「人権」は国家社会から許されたものである。階級差別社会で、マチスモ(男は強くなければならず、筋肉隆々なのがいい)やセクシズム(性別で社会的役割が決まる)やミソジニー(女は男に仕えるのが当然)といった性差別が典型例だろう。日本は、例えば夫婦別姓すら禁止している。こうした差別は、一面では宗教(政教分離違反)であり、政治社会思想であり、封建「文化」である。

 

ロシアも封建世界だ。

今回のウクライナ戦争は、ロシア正教会プーチンが、ロシア正教のルーツであるウクライナを奪還しようとして起こしたものだろう。
ロシア正教会プーチンが応じ、プーチンは政財界を従えロシア人を従え、ロシアのために人生を捧げさせる。

言い換えれば、封建主義であり、全体主義であり、そして今回の戦争は「十字軍」であり帝国主義である

ロシア正教会プーチンは、ウクライナを奪還してロシア化するつもりだろう。「ウクライナはロシア世界なのだからロシアに賛同して当然」と思ってウクライナの人々を見くびっていたのだろう。
ウクライナはロシア世界だからロシア正教会プーチンにとっては「国内」のようなものであり、
電撃作戦でゼレンスキーを追い出せば、欧米が口を出すスキもなく既成事実化すると目論んでいたのだろう。

 

プーチンにはどうも、戦時中までの「大日本帝国」を模倣したような発想がある。
プーチンマチスモで、柔道やりまくっていたが、その柔道が平和主義的で「精力善用 自他共栄」を是とすることについて、真には理解していなかったのかもしれない。

 

封建国家の日本、封建主義者の日本人には、「イジメられるほうも悪い」という論調が強い。社会体制を無条件に肯定し、個人を罰する社会である。今回のウクライナ戦争も、「ウクライナが降伏すればいい」とか「ゼレンスキーがプーチンを怒らせたのが悪い」という論調がある。

日本は封建国家、「プーチン側の国」なのである。そして、米国の同盟国であるがゆえに欧米に追随しただけなのである。

日本が安保理常任理事国になればいいという話は以前からずーっとあった。そうしたこともゼレンスキーには念頭にあっただろう。が、安保理自体が「使えない」ことから、日本が集団的安全保障体制の中心的役割を果たして、「アジア代表」になってほしいと言うのである。

しかし、日本は「米国の犬」でしかないのに。

 

なにせ、政権与党はもとより、日本の政党も日本人も、ほとんどが封建思想者であって、「目覚めていない」のだから、まったく無理筋だ。

たぶんゼレンスキーも日本にはさして詳しくない。演説に切れ味を感じなかった。彼自身、日本の本性をよくは理解していないのではないか。

 

日本も中国も、プーチンの側の人間

日本人も中国共産党も、「人権」は国家社会が許した権利だと捉えている。人に生まれつき備わっている絶対的な尊厳(たましい)だという理解が欠けている。自我と自己の区別がわからないから、自己の尊厳とワガママの区別もわからない。

 

プーチンは、ウクライナは「国内だ」と認識している。プーチンは大ロシア世界を確立しようとしている。ウクライナはロシアの支配域でありロシアの「国内」と思っている。キエフのゼレンスキー一味はネオナチの民族主義過激派で、ロシア域内のいわばテロリストだと扱っている。だから例えば核兵器の使用にしても、国外につかうよりもキーウにおとすほうがハードル低めなのだろう。

ゼレンスキーは、キーウの防空能力を剥がされたときのことをおそれている。NATOに飛行禁止区域を要望したり、イスラエルミサイル防衛システム輸出を要望したりしている。「ゼレンスキー一味のアジト」を破壊するためといって大統領府など政府機能が爆撃される事態が迫っているのだ。

 

プーチンのロシアは、ロシア至上の国家主義をぶん回して、ロシアの利益線の地域を支配下にしようとしている。その地域に住んでいる人々は差別され同化政策を施されるのだが、国家主義者は自分が正しいと思いこんでいるので悪の自覚がない。

 

日本もかつて、アイヌや沖縄や、韓国やモンゴルや中国に対して、日本(和人)至上の国家主義政策をぶん回した。同化政策を施し、アイヌや韓人などには日本名を強制したりもした。

プーチンと同じ過ちを日本人は犯していた。その罪を日本人は反省したのだろうか? そもそも何が間違いだったのかすら解っていないのだろうと思うわ。

 

ゼレンスキーはウクライナの代表者だから当然、ウクライナに利益誘導をする。だから、日本人を批判的に捉えないで、好意的に誉めそやして当然だろう。

それをみてヨイショするポピュリズムの翼賛体制が、日本の相変わらずだ。コントかこれは。フィクションであったらいいのに。

 

日本人がやった過ちをプーチンがまた犯しているからこそ、日本がプーチンを指導すべきなのに。

プーチンのロシアがかつての日本のようで他人事ではない

いまのプーチンロシア正教会の発想は、国境線を無視した宗教的なロシア世界の構築、いわば大ロシア圏の構築。

ロシア世界の主要国はロシア連邦ベラルーシ白ロシア)と、ウクライナだろう。そのウクライナがロシア世界から抜けることは許されない。プーチンロシア正教会にとっては、ウクライナは西欧化、彼らの言うところの「ナチ化」を進められて奪われたというのが彼らの認知。彼らの中では、ロシア世界の境界は国境ではなく宗教線で、ウクライナは国内問題だと思っている。

 

いまのプーチンのロシアをみていると、大東亜共栄圏だの、大本営発表だのの、戦時中の日本そっくりで痛々しい。そして困ったことに、日本人はまるで他人事みたいに思っているらしい。侵略戦争をした。マスコミが国民ウケして売れる、国威発揚する情報統制をかけつづけて、収拾がつかなくなった。退路のない背水の陣を布いて、反戦を主張すれば非国民扱いされた。

 

あべ時代の日本もやはりおかしかった。あべ支持したがる社会風潮がつくられ、多くの人は、日和見で関心をもたないか、「適任者がほかにいない」と思い込まされていた。情報操作や印象操作、偏向、タブーだらけ。権力におもねって得をし生き延びようとする人が目立った。

 

もう、このところ、異常な世界だ。

ドナルド・トランプの米国もおかしかった。頭のおかしいジイさんを大統領にして、なおも支持する人々が少なくなかった。FOXニュースみたいに、視聴者ウケする内容に偏向して儲けるのも目立った。

もちろん、インターネット上でパーソナライズされるタイムラインや広告も儲け目当てだから偏向したものが目にさらされ、認知が歪む。

英国が、EUからぬけたいという間違った自尊心のもとにブレクジットで大混乱して右往左往した。

まるっきりコントみたいにバカげているが、これがリアルなんだから困る。

プーチンウクライナ戦争は、いまに始まった現象ではない。いままでの狂った流れの延長線上だ。

そして困ったことに、多くの人々はそのことに気がついていない。自分達の精神疾患様の現象に自覚がない。

プーチンのロシアを責める日本人もまた、太平洋戦争のときはアレだったのに、なぜか他人事みたいに棚に上げている不思議。そこは逆に、日本がしてきた過ちを引き合いに出して参考にさせてプーチンを諌めるくらいの勢いであるべきではないんか。